前夜の車中泊地の桂池Ｐから道の駅千曲川まで移動しトイレ、買い物をすます。国道７１７号から県道９５号の入って田茂木池に向かう。除雪は鍋倉山の登山口まで済んでいたが、一般車は田茂木池まで。鍋倉山登山口まで１時間弱の車道歩きで、ここから巨木の谷左岸の支尾根に取り付く。巨木の谷は長野県自然百選の第1位に選ばれているそうで、手付かずの自然そのままです。先行者は車で登山口まで来ていた信越トレイルのツアーさんと３人パーティで、見上げれば思いのほか急登だ。ここはトラバースもあるので６本爪のアイゼンを装着、普段ストックを使わない相方だけど、危険だからと無理やり使ってもらう。斑尾山のゲレンデよりもさらに急な尾根を慎重に登っていく。ルートが判りづらく先行者がいたことに心底感謝する。トラバースを過ぎてもうひと登りで巨木の谷を見下ろす鍋倉山に続く尾根に乗った。こちらの尾根は支尾根より少しゆるむので、だいぶ気持ちも楽になる。巨木の谷には信越トレイルのツアーが森太郎のブナの巨木を見学しているのが見下ろせる。樹齢400年以上だそうで人と対比してその大きさがわかる。登り返しが大変そうなので、上からの眺めでよしとした。信越トレイルのツアーは谷の右岸を登っていて、あちらも急で苦戦しているようだ。谷をはさんで尾根は二重山稜となり、広々とした尾根にブナの巨木が悠然と立っている。すばらしいところだ。空も近くなってくると、山頂にぽんと飛び出す。無雪期は樹林に囲まれた山頂のようだけれど、今は深い雪に覆われてさえぎるもののない雪原だ。生憎の曇り空で展望がなかったのがちょっと残念、晴れてれば日本海まで見渡せるという。それでも北東には関田峠、南西には仏ヶ峰のたおやかな尾根が広がっていてとてもいい気分だ。風のないおだやかな山頂で時間の流れを楽しむ。さて、下山は安全な関田峠からを予定していたが、耳をすますと、信越トレイルのツアーガイドさんが「尻セード・・・」とか言っている。さては、黒倉山との鞍部から、谷コースで登山口まで下るのではと聞き耳を立て、こっそり後をついて行くことにした(笑
山頂直下では大きな踏み抜きも現れていて落ちたら胸位までありそうだ。気をつけねば。さて、あんまりくっついて下るのは、料金を払っていない身としては肩身が狭いので、全員が尻セードを終えてからゆっくりと尻セードを始める。これが楽しいのなんのって！ツアーさんは十数人いるのですぐに追いついてしまう。あちらは途中の斜面を登っては何度も尻セードを楽しんでいて、もう子供のようにおおはしゃぎ。ガイドさんが「ごいっしょにどうぞ」と親切に声を掛けてくれた。それでも遠慮して先に行かせていただく。特に危険なところもなく、途中では登ってくる人ともすれ違い、朝登った支尾根の北の谷に飛び出た。下りの車道は１箇所雪原をつっきたりして時間短縮、途中でツアーさんの車に追い抜かれるときに、お互い笑顔で手を振る。楽しいふれあいだった。田茂木池で車中泊予定だったが、ここはちょっと暑いのと、まだまだ人も多いので戸狩温泉に向かう。「望の湯」は空いていてほぼ貸切状態、牛乳はなぜか「八ヶ岳牛乳」だった。やっぱり一番快適な沼の原湿原Ｐに向かい、ビバーク地とした。４日目も湿原を散策すると、１日目よりもだいぶリュウキンカの花がが大きくなっていて見ごたえがあった。またまた「道の駅千曲川」に行き、千曲川流域の菜の花を見学、安い山菜ときのこをお土産に買い、小布施の街を観光して帰路に着いた。飯山の町も見所が多そうで、観光も楽しそうなところだと思う。また機会があったらゆっくりと訪れてみたいな。 |
