天竜川 中御所谷流域-西横川〜千畳敷


2012.10.7(日)  時々ガス
自宅(前日19:40)〜菅の台バスセンター(前日23:15/5:30)〜<バス>〜しらび平(6:25/6:40)〜しらび橋、
西横川入渓(6:45/7:05)〜30m大滝(8:40)〜
1990m圏二俣右へ(9:20/9:30)〜2200m圏二俣左へ(10:50)〜2250m圏奥の二俣左へ(11:05)〜2550m圏長谷部新道トラロープ遡行終了点(12:50/13:10)
千畳敷(14:30/17:30)〜
しらび平(17:40)〜<バス>〜菅の台バスセンター(18:50)

7h25’(歩行時間6h55’) 相方、長男、ぜいぜいの3名


この風景を見るために登って来たと言っても過言ではないほど千畳敷の紅葉は目にも鮮やかな錦の絵巻物でした。
あいにく霧模様ではありましたが、紅葉は空気中の水分を吸ってますます鮮やかさを増し、時折差すお日様の中で、さらにそのきらめきを増しています。
怖さや不安が先に立つ沢遡行ですが、やはり周りの風景に励まされるのは登山と同じ。お山の力です。
さて西横川ですが、初級の沢ですが傾斜がきつい、岩が脆い、30m級の大滝が2つある、夏場は雪渓が残るなど、ぜいぜい家にとっては少し敷居の高い沢でした。
相方は随分と前から予定していましたが、天候や機会に恵まれず延び延びになっていました。
今回天気予報の合間を縫ってなんとか遡行することができました。今回も沢にはまってしまった長男が同行します。
初めの大滝はとても立派で、やはり高度感があるので、相方にしっかり確保してもらいました。
奥の大滝は一番奥の5mが苔とヌメリで非常に悪くアクアステルスでは歯が立ちません。相方がフリーで右の水線に取り付き、やっとこ登ります。
長男は相方に確保してもらって、左のヌルヌル水線をゴボウで登りました。ぜいぜいも初め左の水線に取り付きますが、ヌメリが強く断念。
次に右の水線を体フリクションだの何だのを屈指してなんとか落ち口にたどりつきました。
ここが今回一番の難所でした。右岸に草付きの巻き道があるのですが、傾斜もあり草が滑りそうで、とても取り付く気になれませんでした。
初めの30m大滝を越えてからは、ほぼ沢全体が滝場のようで、次から次へと現れるので飽きないというより、息が乱れっぱなしでした。
登攀系が好きな人にはお勧めの沢だと思います。

橋を渡り、左岸の踏跡から沢に下っていきます。一つ目の堰堤は右から、落ち口がちょっといやなクライムダウン。画像は2つ目の堰堤で、堰堤左横のザレを登って越えました。堰堤に登る所が悪しです。(ウェブの記録ではうちとは反対側から巻いている記録が多いです)堰堤を越えると目印の大岩が現れます。

初めの滝5mナメを越えると、右俣には東横川の大滝が現れます。なかなかの見ごたえですが、ここは左俣に入ります。

3m小滝を越えると沢は巨岩帯となり、

しばらくでまた滝場が現れます。どの滝場もフリクションがきいて快適に登っていけます。それぞれに好きなルート取りで行きます。長男は濡れるのをいやがってわざわざ難しそうなルート取りでいくのが、沢に慣れていないとそうなのかなあと興味深いです。


やがて前方には30m大滝がその姿を現します。前衛5mの滝は右のスラブから巻いて

いよいよ目の前の大滝は高度感があって威圧的です。左から取り付いて左の乾いた壁を登ります。もちろん相方にザイルを出してもらいますが、長男はフリーで登って行きました。確保点はないので、ボディビレイとなります。すぐにナメ滝の連なる二俣で右俣に入っていきます。

右俣に入るとすぐの二段13mのナメ滝は上段はぬめっているので、右の乾いた岩壁をいきます。この位だとフリーでズンズンいけて楽しさ炸裂です。

次の三段15mも快適に登っていきます。

多段の12mナメ滝は左の乾いた岩壁を登ります。ずうっとガスが掛かっていて肌寒いのと青空が望めないことが、ちょっと惜しいですが、充分に素敵な沢です。

平らになるところがほとんどなくひたすら滝場を快適に越えていきます。


長男の休んでいるすぐ先が2200m圏の二俣で左に入ります。この5mの滝は右を小さく巻くか、相方は水線左を登ります。

2250m圏の奥の二俣は、左俣に階段状の30mが掛ります。ここは過去に落盤事故があったところなので慎重にいきます。中盤の岩の積み重なったところは、その岩がいまいち信用ができなくて、一つ一つ確認しながら登ります。そして落ち口の5mの部分がほんとうに悪かった。苔とヌメリで取りつきにくく、巻きの草付きもいまいち嫌らしく見え、相方の頑張りでなんとか越えることができました。

6mの立った滝は右を小さく巻いて、いよいよ源頭の雰囲気になります。沢はどんどん狭まり、
累々と積み重なった不安定な岩屑をハアハア言いながら登って行くと、トラロープが横切る長谷部新道(廃道です)にやっと突き当り、遡行は終了になります。

遭難碑のある場所は狭く不安定な場所ですが、沢装備を解除しって少し食料を口に入れてトラバース道を千畳敷に向かいます。

長谷部新道は沢の絡んだ所はちょっと悪いですが、トラロープが設置してあるので難なく歩けます。
以降は踏み跡もしっかりしていて、ときどき這い松のうるさいところもありますが、おおむね良好です。

やや開けた場所に出ると、千畳敷が手に取るように見渡せ、その美しさには息を呑む程ですが、ガスが残念です。
ここからは、幾重にも尾根をトラバースしていくので、思ったよりも時間が掛ります。
一見どこを歩くんだろうと思うような岩場のところもありますが、うまく弱点を突いて道は開かれています。



やがて人々のざわめきが聞こえてくると、ひょっこりと遊歩道に飛び出しました。見渡す紅葉の園はまるでこの世のものとは思えない、たとえようもなく美しい風景でした。

ロープウェイ3h待ちという過酷な状況ですが、遊歩道を散策したり、時折現れる青空に心癒されて、寒いけれど至福の時間でした。

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