小金沢連嶺縦走

大菩薩峠〜小金沢山(2014.3m)〜牛奥ノ雁ヶ腹摺山〜川胡桃沢ノ頭〜黒岳(1987.5m)〜白谷丸〜湯ノ沢峠〜

大蔵高丸〜ハマイバ丸(1752m)〜米背負峠〜大谷ヶ丸(1643.8m)〜滝子山(1590.3m)

2008.11.2(日)〜3(月)
[1日目]
晴れ
5:30笹子駅〜<ぜいぜいのみ下車、車移動>〜5:40桜森林公園〜
<相方徒歩>〜6:05笹子駅6:07〜<中央線>〜6:30塩山駅7:28〜
<山梨交通バス¥300>〜7:55大菩薩峠登山口(裂石)8:00〜
10:05上日川峠10:10〜10:35福ちゃん荘10:45〜
11:25大菩薩峠11:33〜12:05石丸峠〜13:25小金沢山13:35〜
14:15牛奥雁ヶ腹摺山〜14:55川胡桃沢ノ頭(ビバーク)
6h55’(歩行時間6h22’)

[2日目]晴れ
7:05川胡桃沢ノ頭〜7:35黒岳〜7:55白谷ヶ丸〜8:30湯ノ沢峠8:45〜
9:23大蔵高丸9:28〜9:55ハマイバ丸〜10:50米背負峠〜11:13大谷ヶ丸11:25〜
12:40滝子山13:00〜13:10鎮西ヶ池分岐〜15:15道証地蔵〜15:50桜森林公園
8h45’(歩行時間7h53’)


大菩薩峠と石丸峠中間地点よりの富士山

小金沢連嶺、石丸峠から湯ノ沢峠までをこう呼び習わし、その南に続く滝子山に至る尾根を南大菩薩と呼ぶようだ。その南北に連なる尾根をいつか縦走してみたいと思っていた。ぜいぜい家からすべて公共交通機関利用だと、1泊での縦走はかなりきびしい。そこで車を滝子山下山口である桜森林公園にデポし、30分程の道のりの笹子駅まで歩いて、電車バスを乗り継いで大菩薩峠登山口(裂石)へと移動した。途中塩山駅での接続が悪く駅での1時間待ちは長かった。しかたなくホームの暖房の効いた待合室で時間をつぶす。タクシーはたくさん出ているので時間のきびしい方はそちらの利用がいいかも。山梨交通バスの運賃は100円から300円の値上がりしたようだ。あとで知った情報によると、甲斐大和駅から上日川峠まで(1000円)土・日・祝日運行(4月第4土曜〜11月第4日曜)の栄和交通のバスが出ているということであった。このバスは天目山温泉も通るので利用価値が高そうです。

[1日目]11/2(日)

無事に登山口にたどりつき、バス停近くの公衆トイレで用を済ませてしばらくは車道歩きだ。丸川峠への道を左に分け、その先で車道から登山道へと分け入って行く。一旦車道に出て、千石茶屋の廃屋が見えるところで再び古い林道跡に入り、そこから左の登山道に進んでいく。バス1台満員の乗客であったのだが、すでにみな行ってしまった後なのか、はたまたタクシーで行ってしまったのか、静かな登山道歩きであった。何人にも何人にも歩かれたであろう登山道は私の身長よりも深く削られ、そこにふかふかでたっぷりの落葉が敷きつめられている。高度を上げると対岸の山々が紅葉に染まって、やがてこちらのブナ林もいい色合いを見せてくれる。なにやら車や人の気配がしてくると、ロッヂ長兵衛の前にひょっこり出た。お掃除をしていたお店の方がにっこりと暖かく出迎えてくださった。トイレがあるとつい入りたくなってしまうのは私だけの習性か…心配なので入っておく。ここからは急に人も増え、後ろからがしがし歩いて来る人達に思いっきりペースを乱されながら、でもなにやら変な頑張りで大菩薩峠へとやってきた。途中福ちゃん荘前で相方もう腹へりでおにぎり1個を食べる。休憩をした割にはいいペースでやってきた。

大菩薩峠はすばらしく晴れ渡っていた。5年前に子どもと大菩薩嶺まで来たときには風も強く富士山も見えなくて寒い記憶だけだったが、やっと展望を掴むことができた。にぎやかな大菩薩峠を後にここからは初めてのルートだ。足元の悪い急登を登った山頂が熊沢山。山頂までの薄暗い樹林がうそのようにその先にはすがすがしい笹原が広がっている。大菩薩湖の彼方に富士山をはじめ南アの展望がすばらしい。ここを下った先は石丸峠で、またP1957へと登り返す。

富士山はいつもそこに、振り返って熊沢山はのんびりと青い。

どこまでもどこまでも笹原を行く。狼平は獣道が縦横に延びるが、それでも確かな人の踏み跡が延びる。新しい道標といにしえの道標とそして1本のこの木は静かな山の交差点で行きかう人々の何を見てきたことだろう。

青々とした大菩薩湖は紅葉の山々の中に浮かんでいるようだった。後方にどこまでも広がる南アに見飽きることはない。

狼平からの登りで少しだけ笹がうるさくなり、いつしか針葉樹林帯へと入って行く。ここが山頂かと登りたってみればまたまた先に山頂がというなかなか意地悪なルートだ。連嶺の名を頂いた山頂はちょっとそっけない。が、この山頂からの富士山は秀麗富岳12景だそうで、このルートすべてに言えるのだが、左右対称ななるほど秀麗な姿に見飽きることはない。

山頂からはまた笹薮の中をたどっていく。地図では迷いやすいとあったが、踏み跡もしっかりしていて、別段迷うところもこの時期ではないように思う。倒木が少しうるさいかな。牛奥雁ヶ腹摺山は標識いっぱいな山頂だった。ここも秀麗富岳12景で進行方向に富士山がそびえる。山頂から笹薮を下りきった鞍部が賽ノ河原だ。大分疲れてきたのでそろそろテントと思うのだが、相方川胡桃沢ノ頭まで頑張ろうと言うのでしかたなく笹薮を登り返す。

川胡桃沢ノ頭は平坦な草原状で富士山がテントの中から望めて、絶好の天場だった。早くから宴会モードで酔いにまかせてそのうちにうとうとと寝入ってしまった。一旦目覚めるとまだ8時であった。しばらくおしゃべりしてまたそのうちにうとうとと眠りについた。何時頃だろうか、登山道をざっざっざっと二足歩行で規則正しく歩く足音で目が覚めた。「まだ歩いている人がいるんだなあ」と寝ぼけまなこでその時は思ったのだが、考えてみれば人の歩く時間ではなかった。相方も聞いているので空耳でもないらしい…結局その足音はその一回きりではあった。その後、テントの回りでは、鹿がぐるぐる歩き回るわ、アライグマだか狐だかたぬきだかなにやらが、テント近くの砂をがさがさ掘り出すわ、「お願い、熊さんだけは来ないでね」とその動物園状態に昨年の鈴鹿を思い出してしまった。こんな山頂よりも賽ノ河原のあたりの方が動物は多いだろうなと踏んでいたのだがそうでもなかったようだ。しばらくラジオをつけたりして存在をアピールし、そのうちにまた寝入ってしまった。

ここの山頂からの夕暮れもすばらしかった。日も沈むと甲府の街の明かりが寂しい山頂にも人間の営みを感じさせて、しがらみとか家族とか諸々からは、やっぱり離れられない自分を痛切に感じることができるのだ。そして、人の営みの暖かさ、ありがたさもまた感じられるのだ。

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