丹沢 中川川流域-マスキ嵐沢、権現山(1138m)南尾根

2008.7.13(日)
晴れ

8:00大滝橋たもとP〜8:35マスキ嵐沢入渓点8:55〜
9:45・F5
〜10:25二番目の二俣10:55〜
11:25登山道11:37〜11:55権現山12:20〜
13:42大滝沢取水口13:52〜14:05大滝橋たもとP


ルート地図

無名の4mS字滝を越え、やっと安堵の表情に

今日はすこぶる気温が上がりそうな絶好の沢日和だが、夕方から崩れるという予報だ。短い沢だし天気もなんとか持ってくれるだろうと、ぜいぜい家二度目の沢はマスキ嵐沢だ。ヤマビルがいない、花崗岩質の滑らない沢、初心者向きという条件で決めた。先週の玄倉本流とは訳が違い、本格的な滝の登攀もありだ。緊張のあまり林道、登山道の歩きでは胃がきりきりと痛む。言葉も少なめで、あ〜帰ろうかななんて気持ちも頭をよぎる。がちがちで無名の4mS字滝を越えたら、少し気持ちが楽になった。今回はこの沢の遡行と権現山南尾根のバリルートを下ると言う計画だ。

入渓地点は沢に架かる3本目の木橋を過ぎた先に標柱がありそこからだ。初めは岩ゴロだが、小さな滝を越した先からは気持ちのいいナメが始まる。滑らないしひんやりとして、真夏の沢のありがたみを実感だ。沢から山頂を目指すという新しいぜいぜい家の山行に、ちょっぴり期待も高まる。

沢が右に曲がりだすと無名の4mS字滝が現れる。小さな釜を持つよい姿の滝だ。ここは右から恐る恐る斜めに登っていくとあっけなく登れた。これで緊張は解け、胃の痛かったこともすっかり忘れた。げんきんなものである。

しばらくはナメに大きなヒキガエルがあちこちに姿を現す。いきなり出てこられるといくら茶色の保護色でもどきっとする。が、あちらもきっと人間が恐いのだろう、通り過ぎるまでは息を潜めているようだ。しばらくで8mの横を向いたF1が現れる。左の1枚岩では行き詰まり、水流に入って登った。

次に現れたのはいかにも滝だと主張しているような5mトイ状の滝F2だ。え、これ登れるんですか?なのだが、滝下に立ってルート取りをすれば、ホールドを見極めることができてなんなく登れた。続いて前方には二段15mのF3だ。この沢のハイライトだそうだ。下段はゆるい滝だが上段は急そうだ。ぬめりもあるので慎重にホールドを探して、なんとか水流通しに進めた。

F3を過ぎると山肌が狭まった先に2mの滝とF4が半分見えてくる。F4は右のリッジが巻けるとガイドにあったが、水流をじいっと見るとホールドがありそうだ。滑ったら右に逃げようと思ったが、濡れ鼠になりながらもなんとか登ることができた。ただ水圧は結構なものだった。

いよいよ8mスラブのF5だ。相方は靴のフリクションを効かせて水流突破だ。相方左手の上が少しハングしていていやらしい所だが難なく行ってしまう。続いて私も黒いバンドまで登ってみたが、どうしても無理。相方の立っているトラバース地点まで下りるほんの数歩の恐いことと言ったら・・・そこから写真右のように右手にトラバースして登る。確かトラロープが下がっていたようだったが、掴まなくても登れる。

F5をすぎればもう緊張するところもなく、スラブの小滝やナメをゆるゆるな気持ちで歩ける。なんか極楽〜ないい気分だ。緑のこけもきれいな所だ。

ナメも終わりになるころ初めの二俣だ。左がCS石のある沢なので本流、右俣は涸沢だった。CS石のある左俣に進む。

ガレをしばらく歩き、次の二俣で水は完全に涸れ右俣を行く。もうここでいいかなと沢靴を登山靴に履き替えた。ここで軽くおにぎりを一つほおばる。休んでいると後続の単独の男性が現れた。この沢は二度目という慣れた感じの方だった。先に進んで三つ目の二俣を右に入る。すぐに狭いF6だが階段状なので問題なし。続いてF7は10mの涸棚だ。一見登れそうに見えるのだが、中段と最上部が難しいとガイドにはある。登攀グレード4級はぜいぜい家には無理!迷わず右手のザレた窪地を登る。ここも急だし滑るので結構いやらしい。単独の男性はかなり難儀しながらもフリーで登ってしまった。「沢靴脱がなきゃよかった」としきりに言っていた。

後は尾根までごーろごろを詰めていくだけだ。ヤブコギがないのでありがたい。上を見やれば若葉からの木漏れ日が濡れた身体には暖かい。それでもひ〜ひ〜登って尾根に着く。単独の男性と笑顔であいさつ。少し休んでぜいぜい家は権現山の山頂までもうひと登りだ。誰もいないと思っていたら箒杉から登って来た男性が一人休憩中。前方が切り開かれ丹沢湖が望めるところでお昼にする。沢を詰めて山頂にたどり着いた喜びがじわじわと広がってゆく。親子でハイキング、本格的な登山、バリ山、そして沢登り・・・ちょっとづつ形態を変えてまた新たな山の魅力に取り付かれてしまったようだ。

さてこれからはいつものようにバリ下りだ。山頂の西側、鹿柵の左手の赤テープからだ。赤テープはべた貼りだが、それでも下りなのでコンパスチェックは怠れない。1020mあたりまでは南西に進み、そこからはもう少し南に進路を変える。ここはそれほど間違えやすくないが、900m近くで地図上では判らない尾根が小さく分かれ南西に行きそうになるところがある。ここは南の尾根だ。左手に杉の植林が始まると、788Pで赤テが真西の急な斜面に導いている。私たちの考えではどう見てもこのまま南の尾根通しに行った方が楽だと思い赤テは無視してそのまま行く。左手に藤嵐沢の堰堤をいくつも見やって、そのうちにコンクリートの林道が現れ難なく下る。この林道は取水堰から上に少し行ったものだった。あとは林道を大滝橋まで下るだけだ。橋につくと、待っていたようにごろごろと雷が鳴り出した。いいタイミングで帰ってこられた。私たちは大滝橋のたもとに車を止めたが、もう少し先まで林道を登ったゲートの先にも5〜6台止めるスペースがあった。ただ、ゲートがいつも開いているかどうかはわからない。

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