戸沢ノ頭〜大杉山〜弥七沢ノ頭〜ヤブ沢ノ頭

★このルートはバリエーションです。各自の責任でお願いします。

丹沢湖、玄倉側湖畔駐車場〜P475〜戸沢ノ頭(880m)〜大杉山(861.1m)〜小割沢ノ頭(846m)〜弥七沢ノ頭(956m)〜

穴ノ平ノ頭(926m)〜ヤブ沢ノ頭(1210m)〜箒沢バス停

2009.2.22(日) 晴れ

6:50湖畔P〜7:20*P475〜8:45*750mあたり9:00〜9:20戸沢ノ頭(遠見山)〜
9:50大杉山〜10:10小割沢ノ頭10:25〜11:35弥七沢ノ頭11:45〜
12:30箒沢乗越〜12:55*P926(穴ノ平ノ頭)13:10〜14:15ヤブ沢ノ頭〜
15:40箒沢バス停15:50〜
<バス>〜16:05学校入口バス停〜16:40湖畔P

9h25’(歩行時間7h30’)



弥七沢ノ頭

丹沢湖北面に中川川と玄倉川の分水嶺となっている低山、それが大杉山を中心とした戸沢ノ頭〜大杉山〜弥七沢ノ頭〜ヤブ沢ノ頭の尾根です。ここも椿丸と並んで丹沢の中ではひょっこりと登山道のない空白地帯となっている、いわゆるバリエーションルートです。低山ながらも両水系から複雑に渓谷を刻む沢に、尾根は複雑に根を張り道迷い遭難や滑落遭難の多いところでもあります。相方があたためていたコースでしたが、ネーミングからして杉の多そうな憂鬱な山域だし、道迷いも多いしいまいち乗り気がしませんでした。ネットでコースを調べたり、地形図には水線と尾根線を書き込み、また初コースの為、湯ノ沢方面への下りルートは一歩間違えると危険なので取らないということで一致し、尾根を湖畔から石棚山稜まで貫くルート取りとしました。

スタートは湖畔の玄倉川橋を渡り、一方通行を左に入って1km程で最初の駐車場があり、そこに駐車して要壁の右端の踏跡から入って行きます。藪こぎを覚悟していましたが、近年「水源の森」の事業がバリエーションコースにも波及し、ここも例外ではなく途中からやさしい雷ルートが整備されつつあります。がそれも途中まで、あとは刈り払われた尾根を475mのピークまでぜいぜい登ります。

痩せた岩尾根を登っていくと、いよいよ本格的?な笹藪密コースの始まりとなります。私は念のために雨具上、スパッツ装着でしたが、2月だからとなめてかかった相方はしっかりとヤマトマダニに取り付かれてしまいした。雪がなければ、いつでもあいつらの餌食になると、藪では心してかからないといけませんね。昨年はどの種類のダニかはわかりませんが、野のダニに感染して命を落とされた方もいます。手当てが不完全で頭が皮膚に残っていた為の感染のようです。

笹薮は随分長い間続きます。たまらず途中から鹿柵をくぐって、杉林に逃げ込みます。

杉林の中ではもうミツマタが咲き始めています。早いですね。

750mあたりの尾根の小広いところでぽっかりと富士山が現れます。さらに笹薮、杉林を登ると、写真のP880戸沢ノ頭(遠見山)です。

戸沢ノ頭(遠見山)は杉林の中に、ここで進路を直角に北東に切って大杉山まではずうっと杉林、展望のないほとんど平坦道をたどればふいに大杉山山頂です。

大杉山から北にヤセ尾根を行けばP845(小割沢ノ頭)です。北西の尾根に入らぬように北東に進路を取り、もう一つ小さなピークを越え乗越を過ぎて、更に北、北西、又乗越、北、乗越、北西と地形図と首っぴきなそしてヤセ尾根の気を抜けないルートが弥七沢ノ頭まで続きます。明るい自然林の美しいルートですが、ヤセ尾根と急登の連続で、ふと見下ろす沢の源頭部は恐ろしげに口を開けている。

湯ノ沢乗越の手前でいよいよ前面に大きく弥七沢ノ頭が現れます。白ザレた尾根を登りついた先がP956(弥七沢ノ頭)です。小広い尾根はブナが美しく気持ちのいい場所だ。

山頂からは箒沢の集落がすぐそこに望める。下を見ても急なのだ。950mポイントは湯ノ沢源頭の大崩落があった。

弥七沢ノ頭の尾根の末端まで来ると、左手には金曜に雪を被った大室山が、前方には石棚山、白くザレたP1210、ヤブ沢ノ頭が屏風のようです。そして、弥七沢ノ頭からヤブ沢ノ頭までが本当の核心部となります。メインのルートを外さないのはもちろんですが、手掛かりの少ない白ザレの登下降がこれでもかと続きます。例えるなら御坂山塊の十二ヶ岳の登下降に鎖がなくて、ザレている感じです。逆にルートを取るなら念のためにザイルが欲しいところです。箒沢乗越手前からは壁のように立ちはだかるヤブ沢ノ頭へのルートを目で何度も確認します。もう視界は登山道しか見えない位緊張して、頭を空っぽにして登りました。

こんなけわしい道を越え、ぶきみな箒沢乗越を過ぎ、P926(穴ノ平ノ頭)でほっとひと息つく。

更に悪い源頭部やヤセ尾根は続く。

930mの乗越でチシマザサが出てくるが、枯れていたので藪こぎにはならなかった。後は体中を使ってヤブ沢ノ頭までひたすら登る。

露岩帯が現れると少し傾斜も緩み、あと少しで登山道だ。最後のヤブの先がひょっこりと登山道に着いた。やっと登山道に着いた時の安堵感といったらありません。

あとは箒沢山荘までるんるん下りますが、15:40のバスに乗り遅れそうになったのでラスト300mはダッシュで駆け下りました。どこにそんな力が残っていたんだろう。なんとかバスに乗ると大倉から泊まりで主稜を縦走されてきた方としばしお話。朝は霧氷にも会えてうれしそうでした。なんだかまっとうな山登りにひどくまぶしい気がして、なんか自分間違ってないと自問自答・・・学校入口の酒屋の前のバス停で降りて、2km程駐車場まで湖畔を歩きました。ほとんどの方にはなんと物好きなと訝れる山の楽しみ方だと思われます。が、地形図を読む楽しさと、未知なる山の中のすばらしい自然に出会ってしまうとどうしても病みつきになってしまう・・・困ったものです。もし訪れてみたいと思う方の一助になれば幸いですが、このルートは丹沢のバリエーションルートでも2番目位に難しいと思います。

山のきろく | ホーム

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送