丹沢 小川谷流域-弥七沢

立間大橋〜弥七沢〜弥七沢ノ頭界隈〜950m圏〜弥七沢左岸尾根(仮)〜立間大橋

2009.5.31(日)
一時

小川谷出合P(7:15)〜弥七沢出合(7:35/7:50)〜ヒョングリの滝(8:10)〜
左俣出合(9:58)〜中俣出合(10:25〜10:35)〜弥七沢ノ頭界隈(12:30/12:50)〜
弥七沢ノ頭標柱(13:00)〜弥七沢左岸尾根下り〜中ノ沢林道(14:10)〜
小川谷出合P(14:55)

7h40’(歩行時間6H55’)

GW以降週末になると雨模様になる悪いタイミングで今回も危ぶまれたが、なんとか4週間山には入れずの悪夢は免れた。いつものように早めに家を出て玄倉商店前で朝食を済ます。その間数台の車が奥へと入っていった。小川谷出合に着くと、いつもの通行止めのチェーンは外されている。万が一閉まってしまうと困るのでここに車を止めて出発するが、立間大橋のゲートも開いていたので通行止は解除されたようだ。のんびりと弥七沢出合まで歩いて行く。それでもいくつかの落石を確認した。どこの沢筋だろうか大きな落石の音も。小割沢の橋を越え、アトピー水場を越え、弥七沢には橋がなく林道左のガードレールが目印。車だと素通りしてしまいそうな出合いで、いかにも暗い沢だ。地形図でも等高線がきつい沢形なので高巻きも難しそうだ。沢の中の堰堤を確認して入渓の準備にかかる。ここは数台の駐車スペースがある。右岸から入って沢を渡り、堰堤は右から手すりを使って乗り越す。

すぐに小滝とF1(6m)が現れる。水流左壁はホールドが多そうで、相方はすたすた登っていくが、まだ、身体が馴染まない私は早速ザイルを出してもらう。(右岸滝上に残置ハーケンあり)水線よりの方が歩き易かったので、のっけからシャワークライムになってしまった。

次の4mの滝はなんなく登れる。沢は両岸が迫ってきていて、なんとも圧迫感がある。

すぐ上にF2(二段10m)ヒョングリの滝。この沢の象徴的な滝で、ひょんぐって落ちる水のすべらかさと、しぶきの繊細さがいかにも美しい。正面よりも横顔が女性的な滝だ。右壁がルートのようだが、とっても無理。右岸の高巻きに入る。

この高巻きが何と言っても恐い。沢側にすっぱり切れ落ちていて足幅程しかなく、高度間もたっぷり。一箇所崩れているところもあるので、慎重にも慎重の上に歩いて行く。あ〜寿命が縮まった。この高巻きで更に3つの滝もいっしょに越えてしまう。少しだけ沢は開けて心を落ち着かせながら行くと、次はF3(7m)だ。ここも相方すたすた。落ち口の岩に支点を取って、ここでもザイルを出してもらった。

この先は小さなゴルジュ帯。コケとせせらぎがまるで日本庭園のようだ。

更にコケと新緑の緑がまぶしい、ここは弥七の石舞台だって(笑 沢を少し右の曲がってF4(5m)は幅広のナメ滝。なごみます。

沢はどんどん狭まって、小さい釜を持った二段3mの滝が現れる。これが簡単に登れそうでいて、取付きがぬめってなかなか登れない。相方、ビデオを撮ろうと回しているのに、なかなか私が登れないので、最後には笑ってしまっている。1歩2歩が登れれば、あとはなんてことなかったです。

沢がゴルジュの様相となり、F5(10m)が現れる。フリクションは良く効きます。例にならって相方にザイル出してもらうのだが、ここは確保する支点を取る所がありません。しかたなく、相方肩がらみで支えると言う。なので、私もテンションを掛けないように登った。なあんだ、やればできますね。

CS4mを過ぎると沢にケルンの目印が現れ右岸から左俣が出合う。覗いてみると出合いの滝の先で、沢は右に曲がり涸れた大棚が沢に立ちはだかる。見た目では全然登れる気がしない。左俣を後に先に進む。ただ、この先の沢詰めの厳しさを考えると、左俣と中俣の間の尾根を詰めてもよかったかもしれない。

左俣と別れ、本流は4mの滝、スラブとこのあたりまでは軽快に進む。

水量も減ってくると、沢はますますV字谷の様相になってくる。やがて正面に7mの涸滝が現れる。これが右俣、遡行は手前左の中俣を行く。

沢は申し訳程度の水量になり、2m滝の後には中俣F1CS滝(8m)だが、ほとんど涸れていた。ここは右側の斜面を巻いてしまった。滝の落ち口がちょっとやらしかった。中俣F2まで行ったかどうかはちょっとさだかではない。もうこの先沢はぼろぼろで危なそうだったので、左から入っているルンゼを詰めてみた。見た目では詰めそうなのだが、最後の緑コケの棚の上に登る手掛かりがなく、グズグズと崩れていく。回りを見回しても登れそうなところがない。万事休す状態でぼろぼろに戻るか、他の尾根を探すか、かなり思案するが、ルンゼの中程の左手の岩場あたりにかすかな踏跡を発見する。ここを強引に登り、しばらく腕力勝負な尾根を行けば、やっと写真の場所へ。

急登をひたすら詰めると、やがて尾根はゆるくなりブナが増えてくる。やがてP956mと950m圏の間の鞍部にぴたりと出た。個人的にはP956mが弥七沢ノ頭だと思うのだが・・・

美しいブナ林の中で昼食をとり、ややガスが掛かった山の空気を存分に味わう。やがて、雨がぽつぽつと落ちてきたので腰を上げる。下りは弥七沢ノ頭左岸尾根を下る。950m圏から東に向かい、もう一つの950m圏になんと新しく弥七沢ノ頭の標識が出来ていた。個人的にはここは弥七沢の源頭部でもなく、ちょっとどうなのかしらんと思うのだが、古い記録だとここが弥七沢ノ頭と記録されているものもある。

弥七沢ノ頭の標識の後にあるこのテープが弥七沢左岸尾根へ下る目印だ。本当に美しいブナ林を850mあたりまで下ると杉林へと変わっていく。のっぺりとした尾根には左側が鹿柵フェンスになり、痩せた鞍部を登り返した815mあたりは、P683mに向かう尾根と南東に向かう尾根とに分かれる。当初はP683mに向かう尾根を下る予定でいたのだが、この南東尾根への巻き道がかなりしっかりとした踏跡になっている。ためしに下ってみると、はっきりとした仕事道だ。地形図をみると、林道にも近そうなので、ためらうことなくこちらの尾根に変更した。尾根を忠実に下る仕事道はやがて右にトラバースしていくが、難なく林道に下りた。あとは林道を下って立間大橋まで戻った。

立間大橋左側の大崩落地中程で、カモシカが立ち往生していた。前にも後にも進めなそうに見えたが、しばらくためらっていたが、うまくルートを見つけて葉っぱをむしゃむしゃ食べていた。人間の感覚からは信じられないところでお食事だが、さすが野生動物はすごいね。(初めは写真の上の草地にいたんですよ)

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