丹沢 神ノ川流域-矢駄沢

日陰沢橋〜矢駄沢〜ヤタ尾根

2009.6.7(日)


自宅(5:00)〜長者舎山荘あたりのP(6:40)〜
矢駄沢出合入渓(7:30)
F4下(9:20/9:30)〜堰堤(9:45/10:00))〜最後の大岩の水場(11:40/11:55)〜
大笄(おおこうげ)(13:35/14:10)〜長者舎山荘あたりのP(16:20)


9h40’(歩行時間8H25’)

遠いと思っていた裏丹沢も意外に早く来れることがわかり、静かな丹沢を楽しむにはもってこいなルートもちらほらと。今後が楽しみな山域だ。と思っての裏丹沢だったのに、なにやらこの日と前日はコンサートが神ノ川のテント場で開催されており、思わぬ下流に駐車するはめになってしまう。朝食をとり、公衆トイレを延々並んで、ぽこぽこ矢駄沢出合まで歩きいざ入渓。4個の堰堤を踏み跡を頼りに右からまとめて越していく。

すぐに現れる小滝はきれいなエメラルドグリーンの釜を持つ。相方は左をへつっていったのに、たいしたことないかなと釜に入ったのが運のつき、いきなり腰まで浸かってしまい、すんでのところでウエストポーチのデジカメを水没させるところだった。次の小滝がちょっとやっかいだ。流心は一歩の取り付きが高くちょっと無理、左を巻くことになるが、つるつるの一枚岩に腐ったロープが垂れ下がっている。このロープに身も心もゆだねるのはかなりな勇気がいる。仕方なく、自分の体重の半分くらいかけて(できるのか)恐る恐る岩のわずかなスタンスをへつっていった。ここがこの沢で一番恐かったかも。

更に小滝がいくつも現れる。今日は平水なのだろうか、思っていたより水量が多く、釜も深い。

ここも深い釜だった。やっぱり濡れたくないので巻き巻きだ。結局F3でずぶ濡れになるので、あんまり意味がなかったんだけど・・・この後、堰堤が現れる。ガイドにはハシゴが掛かっているとあったけど見当たらず。しかたなく、踏み跡のあるすぐ右のルンゼを登って巻いた。堰堤の上から見たら、外傾しているコンクリートの足場みたなのがあったけど、登るにはちょっとなあな代物でした。ゆるい沢を少し行くと、、不意に目の前に大きな滝F1(12m)が現れる。大きな一枚岩の間を垂直にざあっと落ちていく見事な滝だ。

ここは右岸のコケの着いた岩尾根を巻いた。途中の窪っぽいところをトラバースすると簡単にF1の落ち口にたどり着く。この落ち口のすぐ上にF2(10m)がまた美しい姿を落としている。丁度この中間地点は適度な広さがあって、木漏れ日差す岩棚は休憩するのに気持ちのいいところ。

F2は同じく滝の右岸の階段状を登る。ここはとても簡単に快適に巻ける。美しいF2と巻き道から見た滝、勢いがあって見事です。

沢がゴルジュ状になってくると、懸案のF3(2段10m)が現れた。狭い沢幅にX型に水を落としたものが中間で交わり、強い流れとなって落下する。やっぱり水量は多めなようだ。両岸が切り立って、見回しても大高巻きできそうにも見えない。ガイドには簡単に直登できると書いてあるが、とても簡単にとはいかない。まず相方が右岸の濡れた微妙な岩を慎重にへつって滝の中間地点に降り、そこから滝の左の流れを登って行く。落ち口から相方にザイルを落としてもらって、次に私が水線を登っていく。滝つぼはいかにも深く、ウエストポーチはもちろんザックにしまい、雨具の上だけ着ていざ・・・案の定ウエストまで浸かって、最初の一歩をさぐるが、水の勢いに押されるのと、スタンスが見えないのとでなかなか登れない。まごまごしていると寒くてしかたがないので、流れのまん中まで行って、いいスタンスを見つけてぐいっと登る。頭から水をかぶり、袖口、首からどんどん水が入っていきます。すごい水の勢いに負けそうです。狭くなった地点のスタンスも細かくて苦労する。やっとの思いで中間地点、あとは一気に登る。寒くて相方がザイルを片付けている間ガタガタと震えた。

F3上部の強い流れの3mの滝は、F3で鍛えられたのでなんなく登れた。

左から小さな滝を掛けた枝沢を見て沢はぐいっと右に曲がる。ここは、ゆるやかな15mのナメ滝。ここは全然すべら〜ず。

トイ状っぽい滝は左の岩を巻いた。沢は傾斜を増して滝とも流れともつかないところを登って行く。このあたりで先行の二人連れの釣師に追いつき、挨拶をして静かに追い越す。「どうぞどうぞ、お先に行ってください。」ととても友好的な方々でよかった。

沢が少し開けると右から堰堤をもった沢が出合う。ここで腹ペコになって休憩。おにぎり1個を食べる。濡れた身体に陽射しが気持ちいい。また釣師の方々が追いついてきた。なにげなく「F3はどうやって来られたのですか」と聞くと、なんと左岸を大高巻きしたそうだ。かなり立っていたし、トラバースがいやらしい岩峰に見えたけどすごいなあ。同じく釣師の若い方の人は私たちの沢靴を見て、「アクアステルス滑りませんか?」と聞かれた。この方はたぶんアクアステルスにしたばかりなのか、「3度も滑ってしまった。」と言っていた。私たちはフェルト靴のフリクションを知らないので、コケっぽいところはだましだまし登っているので、こんなもんかなな感じです。このすぐ上がF4(7m)、水線が普通に行けそうだったけど、釣師の人が左岸を巻いていたので、なんとなく釣られて、いやつられて巻いてしまった。

沢が少し左にカーブすると幅広の滝に出る。ここは私は右の岩を登って、写真左の黒っぽい岩をへつり水線を左に行こうとしたのだけど、なんかうまくいかなかったので、まだ戻って右の岩を登った。相方は初めから左をすたすた登っていった。この先でまた堰堤が現れここは手すりを使って右から巻いた。その先の二俣で右俣の大笄沢を分ける。更に開けた先には、巨大堰堤が数個続き、林道の青い橋げたも見えてくる。堰堤には黄色い手すりが付いていて難なく登れる。あまりにも日当たりが良くて気持ちよさげだったので、ここでもう一度身体を乾かすために休憩する。ここで1匹のアブが偵察にやってきた。刺されるとやなので、アブのいなそうな左岸を行った。

堰堤の上からはいっさいの人工物がなく、思ったより楽しい沢歩きになった。ゴルジュ帯に入り、大岩が乗った滝を越えると、左から8mの美しい滝を落とす枝沢が出合う。

その先で大岩が左右に滝を分けた5mの滝、相方が右の流れを登って行くが、落ち口のスタンスが少ないのかてこずっている。面倒なので私は左のヌメヌメを巻いたが、すごく悪かったです。その先で4mのナメ滝を越えるとF5(二段15m)だ。水量の少なそうな左を越え、上は右から行った。

F6(8m)は階段状で難なく登れる。あとはゴロタの滝が続く。ここでゴルジュもおしまい。

ゴルジュの先で水は消え、あとはひたすらご〜ろごろのルンゼの登りとなる。途中大岩から水が滴り落ちているところで大休止。さらさらと気持ちのいい流れが落ちてきていいところだ。

更に沢は狭まって涸棚が出てきた。見えている棚は少しハングしているが、身体フリクションを使って登れた。まだまだ涸棚は続く。左がヤタ尾根かと一瞬逃げたくなるが、これは違う小さな支尾根だ。

狭い涸棚の上は少しルンゼが広くなった。このルンゼをもう少し我慢して登った方が楽だったのだが、そろそろ心配になってきて、右の岩っぽい尾根を登ったが、かなりきびしい。そのうち尾根は沢床に近づいてちょっとショック。

急登も少しゆるまって笹原がでてくれば、あとはぼんやりガスったブナ林を獣道に沿って、それでもひ〜ひ〜登れば檜洞丸から犬越路への登山道に出た。

あたりはすっかりガスが濃くなってきていかにも丹沢らしくなってきた。印象的なブナはいろんな表情を見せて、彼らは人けのなくなった夜にはいったい何を語りだすのだろう。ヤタ尾根の下り始めは、ブナと雑木のいい尾根が続き、やがて尾根がゆるんでくるとあたりは小広くなって、林床はふかふかになってくる。1000mあたりから後は杉の植林帯となり、林道をまたいでヤタ尾根の登山口まで続いた。

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