奥利根 宝川-ナルミズ沢、朝日岳(1945.3m)

2008.10.12(日)晴れ〜13(月)晴れ
[1日目]
6:40宝川林道P〜8:55宝川渡渉点9:25〜9:40広河原9:55〜
11:20大石沢出合11:40〜13:30魚止滝〜14:00二俣下ビバーク

[2日目]
6:50出発〜7:10二俣〜8:05最後の二俣〜
9:05大烏帽子山・地蔵ノ頭鞍部9:30〜9:55地蔵ノ頭10:05〜
11:05ジャンクションピーク11:20〜11:45朝日岳11:55〜
13:45大石沢出合13:55〜15:00宝川渡渉点〜17:10宝川林道P



上流尾根、堂玄倉川平に似てい
大烏帽子山を見上げる天国のツメ

美しい紅葉と渓谷美、天国へのツメと言われる右俣源頭部のツメ、今年7月から沢を始めていつかはナルミズ沢というのがぜいぜい家の目標だった。それがこんなに早く実現してしまうとは・・・大烏帽子山を見上げながら斜面を一歩一歩登って行くとき、”あ〜やった!ここまで登って来た!”となんとも言えない感慨で胸がいっぱいだった。が、ここまで計画段階ではいくつかの葛藤もあった。まずどこでビバークするかということ。通常は広河原、もしくは大石沢出合に幕営し軽荷で遡行して、稜線、JP、朝日岳からの登山道を下り、テントを回収して終了というのが一般的な計画のようだ。しかし、ぜいぜい家では私が歩くのが異常に遅いという懸案事項がある。その為になるべく1日目で行ける所までは行っておきたい。が、そうするとテント回収は無理になるので、沢を重荷で登らざるを得ない。もう10月の為ザックは夏よりも重い。夏ならばじゃばじゃばと沢に入ってもいいのだが上半身が濡れると辛いので、へつりでは重いザックはどうだろうかなど、あれやこれやと悩む。が、今後もどこでも重荷で行くことになるだろうからと、ビバーク地は二俣あたりと計画しこの遡行を決行した。

宝川林道のゲートまで車を入れゲート脇に車を止める。トラックが切り返しをするので、一番ゲート側は空けておくとのことだ。(帰りに聞いたのでおじさんに注意された)ここから林道を1時間程で山道になる。この山道は結構悪い。雨上がりであった為、蛇紋岩ぽい岩場がかなり滑るので慎重になる。所々ロープもあり、高度感もあって落ちられないところが随所にある。枝沢に下っては登りの繰り返しのコースは帰りはしんどいだろうなと思わせる。それでも、八宝滝などの美しい渓谷や紅葉についつい目が行ってしまい、何度も立ち止まっては写真に収めてしまう。最後のロープに思い切り頼りきって渡渉点に降り立った。若干水量が多めで飛び石伝いにぴょんぴょんと言う訳にはいかない。日帰り登山者グループは岩のへつりにロープを渡して、濡れないようにして、渡れるところまでいったようだ。しかしこの登山コース日帰りとは健脚ですね。ぜいぜい家は面倒なのでここで沢靴を履いてじゃぶじゃぶ渡った。が、ここから広河原までの巨岩帯はしんどそうなのと、ヤマメの産卵期なので、広河原までは沢靴のまま登山道を15分程行く。こんな時アクアステルスのソールは気にしないで歩けるのがいいな。

支度をしていよいよ広河原から入渓、河原っぽいとことをしばらく行くと5mの滝を掛けたゴルジュ帯だ。ここは左岸に小さく巻く巻き道がある。簡単に滝の上に出られる。その次のミニゴルジュ風の所は左岸をすたすた行ける。

深い釜や両岸まで迫った木々の紅葉とのコントラストが絶妙で、夢の世界のようだ。まだ、朝日岳がちょこっと顔を見せている。

これは上の写真を間近で見たもの。エメラルドグリーンの釜の中の落葉も去りがたく、ふわふわくるくるとたゆたっている。

いくつかの釜をへつり、笹のどろ斜面を滑りながら巻いたりするが、冬の雪の重みでしなったままの木の枝に、ザックにはさんであるストックが引っかかりまくりでとても難儀する。沢の中を泳いでいけばなんてことないのだが、そこまでする気持ちもない。この釜をへつったところで、すぐ上の登山道に逃げて大石沢出合まで行った。

大石沢までの登山道は泥田のようにひどいもので、沢靴はずぼっと全部泥の中に水没だ。登山靴の人は難儀だっただろうなあ。すぐに大石沢出合の3mの滝だった。釜の大きなこの滝は上からの方が迫力満点だ。ここで昼ご飯のおにぎりをほおばる。この滝は左はじを簡単に越える。

釜を持つ小滝を滝沿いを行ったり巻いたりといくつか越える。

ここはトイ状の淵で美しい景観だった。この淵をちょっとだけ沢は蛇行し、またもとの方向に戻していく。

左から枝沢を入れて2m幅広の滝、ここは左からだったかな。この次のなんの変哲のないように見えるこのミニゴルジュがちと深い。右岸は高巻けない。右をへつるのもちょっと立っているし、左岸を高巻けるかと、2段10mの滝を登って偵察してみるが、かなり上まで巻くようだし下りも悪そうだ。結局沢の中を行くしかなく、おパンツすれすれの渡渉であった。

しかし、次の淵は更に深いが、左岸の台地状にりっぱな巻き道があった。なのだがかなりの湿地でどろどろで沢に降り立った。スリップ注意だ。台地からは地蔵ノ頭がはっきりと望めるようになり、紅葉も益々赤い。

ここを過ぎれば岩ゴロの河原状を行くと、8m魚止滝がふいに目の前に飛び込んでくる。右壁の窪を行くようだが、中間の支点が少なそうに見える。思案したが更に右のもっとゆるい窪を使って巻いてしまった。う〜ん、ザックがなかったら行っただろうな。

ちょっとへつりのいやだった小滝を越えれば、しばらくは気持ちのいいナメ帯が続く。ああ、いい天気だ。

地蔵ノ頭のスラブがくっきりだ。ナメが終わるとゴーロ状になり右岸に大きな崩落を見ると1パーティがその先でビバーク。

私たちは二俣の上でビバーク予定だったが、6mのナメ滝がいやらしい。この滝は明日の朝に回して、手前にいいビバーク地があったので今日はここで終了。沢音を心地よく聞きながら、快適な一夜だった。

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