北アルプス中部縦走 2011夏

飛越トンネル〜北ノ俣岳〜黒部五郎岳〜鷲羽岳〜雲ノ平〜太郎平〜北ノ俣岳〜飛越トンネル

2011.8.14(日)〜18(木)
[1日目]8/14(日) 
自宅(8/13、21:05出発、道の駅奥飛騨温泉郷上宝(1:20/6:20)〜<車>〜飛越トンネルP(7:25/7:35)〜寺地山1996m(11:30/11:35)〜
北ノ俣岳避難小屋(13:00)
5h25’(歩行時間5h)

[2日目]8/15(月) 
/
北ノ俣岳避難小屋(5:00)〜北ノ俣岳2661.2m(7:25/7:35)〜黒部五郎岳2839.6m(11:25/11:35)〜カール〜黒部五郎岳小屋テン場(14:00)
9h(歩行時間8h10’)

[3日目]8/16(火) /

黒部五郎岳小屋テン場(5:05)〜黒部乗越(7:00/7:10)〜巻き道〜三俣山荘(8:30/8:40)〜鷲羽岳2924.2m(10:20/10:30)〜
ワリモ岳2888m(11:10)〜岩苔乗越(11:40/11:50)〜祖父岳2825m(12:45/12:50)〜雷岩(14:00)〜雲ノ平テン場(14:05)
9h(歩行時間8h15’)

[4日目]8/17(水)
 ときどき
雲ノ平テン場(6:00)〜アラスカ庭園(7:00)〜薬師沢小屋(9:20/9:35)〜左俣出合(10:45)〜太郎平(12:25/12:45)〜
北ノ俣岳肩分岐(14:50/14:55)〜北ノ俣岳避難小屋(16:15)
10h15’(歩行時間9h25’)

[5日目]8/18(木) /
北ノ俣岳避難小屋(6:15)〜寺地山(7:05)〜飛越トンネルP(9:45)
3h30'(歩行時間3h15')

[2日目]8/15(月)

飲料水の不安も解消され、予定通りの山行を進めることができる見通しも立ち、昨晩は8名泊りの避難小屋の一夜が明けた。



4時起床、先行者の男性は黒部五郎岳をピストンで避難小屋でもう一泊なのだという。彼に少し遅れて5時に小屋を出る。西の空に留まる月の下は、ぼんやりと朝焼けに染まっていた。朝焼けはお天気下降の兆しでもあり、昨日の雨乞い音頭に一抹の不安を感じながらの歩き始めとなった。



この雲の形には見覚えがある。4年前の劔岳登山の時、富山湾から登ってきた竜巻みたいな雲だった。その後終始登頂まで強風に悩まされたのだった。しかし、今日は強風に悩まされることはなかった。
避難小屋からの草付きの登山道はやがて池塘の合間を縫って好もしかった。が、木道が途切れると一変、流れに穿たれた不安定な登山道は歩きにくく、そこを避けるようにさらに草付きにも踏み跡ができ、悪路は更に広がっていく様相だった。



あたりが明るくなり、悪路から開放されると登山道はつづら折れとなり、ひょいと主三角点の場所に出た。北ノ俣岳は、主稜線からはただの小高い丘のようなイメージだが、こうして昨日からの歩みを思えば、思いのほか堂々と聳えるどっしりとした山容で、アルプス的とは言いがたくても、やはり好きなお山の一つになった。



空はいよいよ秋の気配を漂わせ、前方には水晶岳から双六岳への稜線が見渡せる。北に目をやれば、大きな薬師岳とその後ろには剱岳もかすかに聳える。



ほんの数分前に楽しんだ展望は、北ノ俣岳の山頂に着くやあっという間にガスに包まれた。今日は終始こんな展望とガスの繰り返しとなった。急に多くの登山客で賑わう主稜線は、普段はにぎやかなところが苦手な私たちだが、前後して歩く登山者の楽しそうな笑顔や会話がこちらにも伝わって年に一度のイベント気分を盛り上げってくれる。まだまだ遥か彼方の黒部五郎岳もそのうちには指呼の距離となるだろう。そんな距離感を味わいながら、一歩一歩と歩を進める楽しさにに酔う。




チングルマ果穂
小刻みなアップダウンを繰り返していよいよ黒部五郎岳が目前に迫る。と、決まってガスがあたりを覆い、そのうちには目の前しか見えないようになる。丁度山頂をピストンしてこられた避難小屋で同宿の男性が「思ったより早かったね」と労ってくれる。お互いに「気をつけて」と別れの挨拶をして、それぞれの方向へと向かった。



岩ゴロの急登だった黒部五郎岳の肩までの道のりだった。肩にザックをデポすると、山頂まではまるで羽が生えたように軽やかに歩けた。あいにくここでもすっぽりとガスに覆われて展望は全くなかった。それでも長男が高校時代から登りたかった黒部五郎岳に登頂できたのだもの、長男は喜びを分かち合うでもなく、さっさと肩まで降りてしまったけれど、きっと密かに喜びをかみしめたことだろう。
カールへと下山を開始するとまたしても山頂は晴れやかに全貌を表す。もう少し待っていればよかったと思うけれど、今こうして青空に大きく伸び上がる山容を望めただけでもうれしい。はるかにあたりにはケーナの響きが満ち渡り、その音色は空気を山ひだを震わせ、まるで夢をみているような不思議な気持ちだった。




ミヤマキンポウゲ

アオノツガザクラ

ウサギギク
カールの谷底に降りるとあたりはお花畑だった。早速カールから生まれた大地からの流れに喉を潤す。5秒ともつけていられない冷たくておいしい水だった。いつまでも黒部五郎岳を眺めやりながら、こころゆくまでカールの美しさを楽しんだ。




チングルマ
やっと腰を上げ、カールの特異な美しさと黒部五郎岳から始まる五郎平までのでこぼことした稜線を何度も振り返りながら、五郎平のテン場を目指してひた歩く。







イワイチョウ
カールまで下る登山道から見えた黒部五郎小舎は結構近くに見えたが、いざ歩き出すとその道程は遠かった。登山道と小川は錯綜し、樹林帯に入ると山ひだに沿って何度も何度もトラバースだった。ポツリと暗い空から一滴が落ちてくると、瞬く間にそれは大粒の集団となって落ちてきた。長男と相方は先行して歩いているが、雨具を着る時間ももどかしく、大急ぎで歩を進めた。テントに入り込んだ瞬間、バケツをひっくり返したような土砂降りとなった。雨乞い音頭、恐るべし。。。



*黒部五郎テン場は小舎前に水場があります。
*トイレは小舎の後ろに回りこんだところです(ペーパーなし)手洗い場あり

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